アスリートに多い便秘を解消するには?原因は水分不足?
今回はアスリートに多い便秘の解消法について説明していきます。アスリート以外の人でも便秘にお悩みの方は参考にしてみてください。
便秘の原因は水分不足?
トップアスリートの食事アドバイスをしていると、比較的多い悩みが便秘です。もともと便秘がちだからとか、体質だからというアスリートもいますが、便秘になる理由の一つには水分不足が挙げられます。
運動中のこまめな水分摂取はもはや常識なので、水分補給を意識して積極的にとっている方も多いかと思います。
でも運動しながら感じている方もいるかもしれませんが、同じような運動をしても汗をダラダラかいたり、シューズがまるで雨に濡れたような状態になってしまう人がいる一方で、それほど汗をかかない人もいます。
運動前後で体重が2%以上減らないように水分補給をすることがパフォーマンスの低下を防ぐと言われていることからも分かるとおり、発汗量が多ければ多いほど水分を補給する必要があります。
つまり、発汗量が多い人は多く水分が必要になるのです。便秘になりがちな人の中には、その発汗量が多いにも関わらず、それに伴う量の水分が補給できていない傾向があります。
便は70~80%程度の水分が含まれています。これが80~90%以上になると下痢になり、逆に60%程度になると固い便となります。この10%程度の水分量の違いで、便の状態が全く変わってきます。
ですから、発汗量が多いのにも関わらず、その分の水分を補給できていないことが習慣になっていることが便秘の理由なのに、さも体質であるかのように誤解している人もいるのです。
夏よりも冬の方が便秘になりやすい?
この理論からいえば、この夏場の暑い時期に水分補給の不足から便秘になるのでは、、、と思われがちですが、意外なことに暑いときの方が水分補給を意識するせいか便秘が解消されていたりします。
むしろ、冬の方が便秘がちで、それが寒いから身体を動かさないせいではないかと言われることがありますが、夏よりも冬の方が水分を取らない傾向があるため、そのせいで便秘になりがちな人もいるかもしれません。
もちろん便秘の予防や改善のためには、食物繊維などの栄養素を摂ることをすすめますが、実はそれらの食事の改善の前に、まずは水分を多く摂ってみることで意外に便秘が解消されることがあるのです。
水はマグネシウムの多い「硬水」がおすすめ
また水分をとるならば、軟水よりも硬水を選びましょう。
水は含まれているカルシウムとマグネシウムの含有量によって、多ければ硬水、少なければ軟水です。
硬水に多いマグネシウムは、実は便秘の解消にも役立つ栄養素。食品では海藻や豆類にも含まれていますが、硬水によって水分とマグネシウムが簡単にとれます。
硬水か軟水かは、基本的にはミネラルウォーターに表示されています。基本的には、日本の水は軟水で、海外の特にヨーロッパの水は硬水です。
ただし最近は、コンビニによっては日本の水でも硬水と軟水の両方を置いているところもあります。値段は同じなので、便秘が気になる人はもちろん硬水を選びましょう。
硬水はミネラル補給が可能
また便秘でなくても硬水ならばカルシウムとマグネシウムが摂れます。
この2つのミネラルは筋肉が収縮するときにも必要な栄養素で、特にカルシウムは日本人が最も不足がち。
サプリメントで補給している人もいるかもしれませんが、水を変えるだけでもこの2つのミネラルをこまめに摂取することができます。
便秘がちな人は体質と思わずに、食事を変える前にまず水を意識してみましょう。
取材・この記事を書いた人
元日本オリンピック委員会(JOC)強化スタッフ。プロスポーツ選手から子どもまで、広くサポートを行う。パフォーマンスアップのための講義やメニュー作成、プロスポーツ選手の食事を例にした子どもたちへの食育も行う管理栄養士。
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今回は比較的に多くのアスリートも悩んでいる便秘について、解消法を解説していきます。