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同じ重量と回数なのに筋肉が発達するのは何故?

同じ重量と回数なのに筋肉が発達するのは何故?


ライター

自分と同じ種目&軽い重量でトレーニングしているのにデカイ人を見て「この違いはなんでだろう」と思ったことはありませんか?今回は、テーマの通り「同じ重量と回数なのに筋肉が発達するのはなぜ?」について説明します。

ハイおなっすパクチー大原です。

自分と同じ種目&軽い重量でトレーニングしているのにデカイ人を見て”この違いはなんでだろう”と思ったことはありませんか?

筋肉を発達させるにはとにかく前回よりも重い重量を!多い回数を!というのが基本として学んできた人にとって一度は不思議に思ったことがありますよね。そこで今回は、テーマの通り「同じ重量と回数なのに筋肉が発達するのはなぜなのか」について説明します。

漸進性(ぜんしんせい)の法則

本題に入る前に筋肉が発達する基本の仕組み、漸進性の法則について説明します。

漸進性の法則とは、前回よりも筋肉に対して多い負荷をかけることで筋肉が発達するという法則です。一般的に知られている前回よりも負荷をかける方法としては回数と重量が挙げられます。

回数

回数

回数で前回よりも負荷をかける場合は、例えばベンチプレスを40kgで10回できたとしたら次回のトレーニングでは40kgで11回行います。そうすることで前回よりも一回分多い負荷を筋肉にかけることができます。

重量

重量

重量を変えて負荷をかけるには、ベンチプレスを40kgで10回行ったら、次回は41kgで10回行う。そうすることで前回よりも1kg多い負荷を筋肉にかけることができます。

このように、重量、または回数を増やすようにしないと基本的に筋肉は発達しません。前回よりも1kgでも重く、1回でも重くしようと力を振り絞ることがトレーニングの基本になってきます。

ただ、あまりにも重量や回数の更新を意識しすぎるとフォームを崩したまま無理やり挙げてしまうことも出てくると思います。そこで、それを防ぐために知っておいて欲しいもう一つの要素が「正しいフォームで効かせられたかどうか」です。

フォームと効き

フォームと効き

例えばベンチプレスを40kgで10回行ったとしましょう。

8回目まではブレずにしっかりと効かせられる感覚があったけれども、残りの2回は上げることに精一杯…、フォームが崩れて筋肉に効いてない状態だった。

なんてことになってしまわないためには、次回のトレーニングの目標を変えてみましょう。

  • 回数と重量は40kgを10回のまま
  • 最後の9回目と10回目までフォームのブレなくを無くす
  • 効かせられた状態で上げるように

このように、フォームを崩さず前回よりも多い負荷を筋肉にかけることができれば漸進性の法則に当てはまり筋肉は発達します。

また、ブレなく10回を最後までできるようになった場合は、回数または重量を増やし、しっかり最後まで効かせられるよう同じ重量と回数で行います。これで体の反応も必ず変わってきます。

なぜ軽い重量で発達させられるのか

なぜ軽い重量で発達させられるのか

自分より重い重量を扱っている人がめちゃくちゃ大きいことは当然のようにあります。しかし、自分と同等、もしくはそれ以下の重量でトレーニングをしていて、かなりいい体をしていることがありますよね?

これは、筋肉への効きに理由があります。それは、「負荷が抜けるポイント」と「対象筋を動かす割合」の2つ。

負荷が抜けるポイント

負荷が抜けるポイント

例えば、ベンチプレス。
バーベルを下げる、切り返す、上げる場面の3つの動作があるとします。

ベンチプレスをただ弾ませる動作は、大胸筋への負荷はほとんど抜けているような状態になります。

このトレーニングの仕方でも重量や回数を上げれば発達しますが、3つの場面で負荷を抜かないよう、重量・回数を増やしていくトレーニングでも筋肉は発達します。

対象筋を動かす割合

対象筋を動かす割合

「効いている」の要素として対象筋を動かす割合も重要になってきます。

例えば、ベンチプレスで大胸筋を鍛える際に大胸筋を6割、上腕三頭筋を4割の力であげれば大胸筋に効いていることになり、大胸筋のトレーニングといえます。

一方、大胸筋4割、上腕三頭筋6割の力で上げている場合は、大胸筋のトレーニングとは言えず”大胸筋”には効いていることにはなりません。

また「大胸筋6割、上腕三頭筋4割」と「大胸筋8割、上腕三頭筋2割」では前者のほうが対象とする筋肉以外の部位の力も利用するので扱える重量が後者よりも重くなります。

よって、自分よりデカイ人がかなり軽い重量を扱っている場合は、ベンチプレスなら大胸筋8割・上腕三頭筋2割という、狙った筋肉以外はなるべく働かせないトレーニングを行っているからです。

それぞれ、2つのポイントを重要視している

以上で挙げたポイントを抑えているため、軽い重量でトレーニングを行っていると言えます。

効かせるフォームを重視する実践者

私が知っている人の中で、なるべくフォームを崩さず上げられるまで重量を上げないというボディビルダーが2います。

1人目が2018年度東京ボディビル選手権2位の白井大樹選手です。

白井大樹

以前に白井選手からご指導をいただいた際、白井選手はなるべくどのポイントでも負荷の抜けないトレーニングをしているとおっしゃっていました。

また、ボディビル的な高重量で追い込むトレーニングと言うよりは、「怪我をしないためのトレーニング」がコンセプトとのことでした。

もう一人の選手は、以前まで日本ボディビル大会の最高峰である日本ボディビル選手権の常連として活躍していた山田幸浩さんです。

山田幸浩

直接お話を伺ったわけではないですが、山田選手も基本的にフォームのブレがなくなるまで同じ重量と回数でトレーニングを行っています。

以上のように、これだけの体を作っている方が行っているということは、個人差はあるかもしれませんが筋肉を発達させるための一つの正解と言えるのではないでしょうか。

まとめ

今までの文章を読んで注意してほしいのが、いろいろと考えすぎて全力を出せないこと。トレーニング中はあれこれと考えずに全力で挙げることに集中すること。です。

全力でトレーニングする中で最後の2~3回でフォームが崩れてしまったなと思った場合は、”次回は同じ重量と回数でフォームが崩れないようにしていく”と、ある程度おおざっぱな認識でトレーニングしていったほうが良いです。

こだわりすぎてしまうと全く力が出せていないトレーニングになりかねません。

筋肉を発達させる要因は「回数」や「重量」だけではなく「以前より効かせられるフォームでできるかどうか」とうのもあるのだなということがわかっていただければ大丈夫です。

カテゴリ:知識
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取材・この記事を書いた人

投稿者・寄稿者
大原 優一 (Yuichi Ohara)

通称パクチー大原。フリーのパーソナルトレーナーとして活動中。TwitterやYOUTUBEで「『こうすればもっと早く筋肉をつけられるのに‼️ダイエットができるのに‼️』という過去の自分に教えたい筋トレ&ダイエット情報」を発信している。2023年の東京ボディビル選手権で優勝します。


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