刺身・焼き・煮魚・照り、食べ方の違いと栄養について
肉、魚、豆からはたんぱく質。野菜、果物からビタミンやミネラル。といったようにどういった食材からどんな栄養が摂れるのかは大体分かるかと思います。
しかし、同じ食材でも調理方法によっては栄養素の損失してしまったりと、消化・吸収への違いもあることはご存知でしょうか。また、調理方法によって食中毒予防などの安全性が得られるほか、見た目や味、香りが変わることもあり食欲も増します。
効率よく運動をし、パフォーマンス向上には、栄養のバランスと同様、調理方法も工夫していくことも大切です。今回は、調理法による食べ方の違いと栄養についてお伝えします。
それぞれの調理方法からなるメリットデメリット
基本的な調理方法は、生・蒸す・煮る・焼く・揚げるがあります。肉類と穀物を除けば、ほとんどの食材が、これらの調理方法で食べることができます。
生食
- 主な料理:お刺身・玉子かけご飯・サラダ・果物
- メリット
調理なしですぐに食べられます。お刺身やサラダは冷たいので、暑さで食欲が落ちてしまったときに夏などに最適です。お刺身は魚をそのまま食べるため、DHAやEPAなどを逃がさず効率よく接種することができます。また、新鮮な野菜のサラダからはビタミンC、果物は糖質やビタミンC、食物繊維が補えます。 - デメリット
加熱調理をしていないため食中毒の心配があります。また、生卵は半熟卵よりも消化の時間がかかります。
蒸す
- 主な料理:蒸し野菜
- メリット
油を使わないので低カロリーであること。また、生野菜よりもカサが減るので1度に食べられる量を増やすことができ、栄養素の流出が軽減できます。その他、野菜の本来のうまみが感じられるので薄味でも美味しくいただくことができます。 - デメリット
大量に食べ過ぎると食物繊維が増え、お腹が張ってしまうことがあります。
煮る
- 主な料理:煮魚、煮もの
- メリット
食材が柔らかくなるので消化しやすくなります。 - デメリット
煮魚にするとコラーゲンが煮汁に溶けだしてしまいます。野菜のビタミンCは熱に弱く水に溶けやすいので失われてしまいます。
焼く
- 主な料理:焼き魚、ステーキ
- メリット
油を少量使用することで腹持ちが良くなります。また、ビタミンA・ビタミンDなど脂溶性ビタミンの吸収率が上がります。 - デメリット
赤身の肉のように脂肪が少なければ、たんぱく質の胃の滞在時間は4~5時間ですが脂身が多く焼く時の油が増えると、さらに胃の滞在時間は長くなります。消化に時間がかかるので、運動前や胃腸の調子が低下しているとき過度に負担をかけることになります。
揚げる
- 主な料理:てんぷら、とんかつ、唐揚げ
- メリット
食材のもつエネルギー量にプラスして、衣をつけた分のエネルギーが補えます。1回の食事が少なく、効率よくエネルギーを確保したいときには便利な調理方法です。緑黄色野菜に含まれるβカロテンは、油と一緒に摂取すると、効率よく吸収されます。 - デメリット
高エネルギーなため、減量の際には控えたほうがよいです。また、外食の揚げ物などは、古く油を使用していることもあり胃もたれの原因になることもあります。
筋肉を付けたい(高タンパク)を条件に選ぶならどの調理方法がおすすめか
同じ調理方法ばかりだとメニューが限られてしまい、食事作りや選ぶ際に迷います。蒸す、煮る、焼くは食材に合わせて選びましょう。
筋肉をつけるためには、主食であるご飯の摂取も欠かせません。
ご飯がすすむ調理法にしましょう。必要な栄養素を吸収するには、よく噛んで食べること。煮ると柔らかくなり、噛む回数が減ってしまうので硬さを調節しましょう。
また、運動後の夕食は蒸す、煮るにし、油を使わない調理方法がおすすめです。油が多いと消化に時間がかかり睡眠の質が下がります。筋肉の回復には睡眠も大切なので、消化に負担のかけない調理方法にします。
まとめ
自炊をしなくても外食を選ぶときの参考にしてみてくださいね。
野菜は小さく切ると、栄養素の損失が大きくなります。調理の際は小さく切り過ぎず、噛んで食べられる大きさにするだけでも調理の際に失われる栄養素は減らせます。
運動や健康の目的に合わせて、調理方法を選んでいきましょう。
取材・この記事を書いた人
管理栄養士&健康食育シニアマスター。専門学校講師、クリニック栄養指導やレシピ作成、オンラインでの食事サポートを通じ、2万人の方に食事の大切さを伝える。雑穀ご飯とみそ汁で腸から元気にし、笑顔になれるよう人生が楽しく、豊かになる食べ方をお伝えします!
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魚料理には、刺身・焼き・煮魚・照りと食べ方がたくさんありますが、栄養にはどういった違いがあるかご存知でしょうか。今回は何気なく食べている魚料理について、食べ方とその栄養について詳しく説明します。