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炭水化物の重要性を知っていますか?

炭水化物の重要性を知っていますか?


ライター

巷では炭水化物抜きダイエットが流行ったり、炭水化物を夜に抜いて食べる方がいいという情報が流れていますが、炭水化物はどのようなもので、どう付き合っていけばいいのでしょうか。今回は皆さんが気になっている炭水化物がテーマです。

ハイおなっすパクチー大原です。

突然ですが、炭水化物ちゃんと摂ってますか?

巷では炭水化物抜きダイエットが流行ったり、炭水化物を夜に抜いて食べる方がいいという情報が流れてきますが、炭水化物といのは減量・ダイエット中でも大切な栄養源です。そこで今回は皆さんが気になっている炭水化物をテーマに説明します。

炭水化物とは

炭水化物の重要性を知っているか?

炭水化物とはいわゆる糖分のこと。

糖分というのは体にとって簡単にエネルギーに変換できる燃料の役割を果たします。炭水化物が多く含まれる、ご飯やパン、ジャガイモが主食になっているのは炭水化物が日々の日常を送る中で必要な燃料になるからです。

この炭水化物はグリセミック指数(吸収の速さ)によって分類する方法と、もともと素材にある成分によって分類する方法があります。まずはグリセミック指数についてみていきましょう。

グリセミック指数とは

炭水化物の重要性を知っているか?

グリセミック指数とは、炭水化物が吸収されるまでの速さを表したもので、その数字が100に近いほど吸収される速度が速い早い炭水化物ということです。

吸収される速度が速い”、”グリセミック指数が100に近い”食べ物を「グリセミック指数(GI値)が高い」と表現し、その逆を「グリセミック指数(GI値)が低い」と表現します。

グリセミック指数が高い炭水化物の代表的な例
お菓子・白米・食パン・うどん・じゃがいも・パスタ
グリセミック指数が低い炭水化物の代表的な例
サツマイモ・そば・玄米・パン(全粒粉入)・オートミール・雑穀米

グリセミック指数が高い食べ物だと血糖値が急上昇してインスリンというホルモンが大量に分泌されます。

毎回の食事でグリセミック指数が高い食べ物を食べてインスリンが大量に分泌されている状態を作ると体脂肪が蓄積されやすくなります。

グリセミック指数は食べ合わせによっても変わります。グリセミック指数の早い白米と食物繊維の多く含まれる野菜を食べるようにすると指数は低くなります。ダイエットの時、ご飯を食べる前に野菜を食べたほうが良いといわれるのはこのためです

食物繊維と同じく、油を一緒に摂取することによってグリセミック指数は下がりますが、大量の炭水化物と大量の油の組み合わせは体脂肪の増加に繋がりやすいのでオススメしません

これだけを見るとグリセミック指数の低いものを食べればよいのかと思ってしまいますが、グリセミック指数の高い食べ物は筋肉を合成する作用も強く、摂取するタイミングさえ合っていれば脂肪の蓄積を防ぐこともできます。

詳しくは、下記の”バルクアップにはなぜ炭水化物が必要なのか”で説明します。

炭水化物の分類

炭水化物の重要性を知っているか?

グリセミック指数以外に炭水化物を分類する方法として、もともと素材が持っている成分の違いで分類する方法があります。ここでは簡単に果糖か、それ以外かという考え方で話を進めます。

さて、テレビなどで白米は角砂糖○個分、じゃがいもは角砂糖○個分という例えをされている健康志向の番組を見たことはありませんか?

確かに炭水化物の量でいえば同じかもしれませんが、実は炭水化物の種類としては違うのです。そしてグリセミック指数も違いの一つですが、ここから紹介するのは果糖かどうかです。

炭水化物はブドウ糖、果糖、ガラクトース、マンノースなどに分類されますが、この中でも脂肪の蓄積を促進するのが果糖です

果糖は、ほかの炭水化物とは違い、体内に吸収されると筋肉にエネルギーとして蓄えられるこもなく、すぐに中性脂肪に変換されて蓄えられてしまいます。つまり果糖はほかの炭水化物よりも圧倒的に脂肪になりやすいわけです

果糖が含まれる食べ物は「果物」、「砂糖」、「果糖ブドウ糖液糖」。この中でも砂糖と果糖ブドウ糖液糖が脂肪になりやすい成分です。

バナナやメロンなどに含まれる果糖が100gにつき2gなのに対しコカ・コーラを100ml飲むとおよそ10g近くの果糖ブドウ糖液糖をとることになってしまいます。

砂糖の入ったお菓子も同様に、果物はに非ならないほどの果糖が含まれています。清涼飲料水の甘みには果糖ブドウ糖液糖が使われていることが多く、お菓子の甘みには砂糖が使われていることを覚えておきましょう

炭水化物の詳しい働き

炭水化物の重要性を知っているか?

炭水化物は体を動かす上で重要なエネルギー源になるとはもちろん、インスリンというホルモンを分泌させ血糖値を下げる働きがあります。

摂取すると血液中の血糖値が上がり、インスリン働きによりこの血液中に含まれる糖を筋肉や肝臓、脂肪にに運搬し、血糖値を下げます。このインスリンは糖分だけでなくたんぱく質として摂取し、体内で分解されたアミノ酸も筋肉に送り込む作用を持っています。

つまり口から摂取したものを栄養として体に吸収させるためにはインスリンの働きが必要なわけです。炭水化物はこのインスリンの分泌のスイッチを入れる作用があります。

バルクアップにはなぜ炭水化物が必要なのか

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炭水化物はインスリンを分泌させます。このインスリンはたんぱく質を摂取するだけでも分泌されますが、炭水化物を摂取したほうがインスリンの分泌量は多くなります。

バルクアップに炭水化物が必要とされるのは炭水化物の摂取によって分泌されるインスリンの強力な筋肉合成作用のためです

以上の仕組みから説明すると、バルクアップをするためには炭水化物を大量にとってインスリンを出し続ければよいことになります。

ただし、常にインスリンを出し続けていると筋肉だけでなく体脂肪の合成も行われてしまうため注意が必要です。よくバルクアップする場合は多少脂肪がつくのも仕方がないといわれるのはこういった理由があるからです。

では、「とにかく脂肪をある程度つけてでも筋肉を増やしたい」という人は炭水化物を大量に摂取する方法でバルクアップすればよいのですが、逆になるべく脂肪をつけずにバルクアップしたいという人はどうすれば良いのでしょうか。

それは、インスリンが大量に分泌されても脂肪になりにくい時間に大量の炭水化物を摂ることです。その時間はトレーニング中からトレーニング後3時間の間です。

この時間に摂取された栄養素は脂肪細胞ではなく筋肉に送り込まれる割合が多くなり、体脂肪増加のにつながりにくくなるため体脂肪をつけたくない人はこの時間にのみ大量の炭水化物とたんぱく質を摂取するとよいでしょう。

※トレーニング中~トレーニング後三時間は白米やうどんなど吸収の早い炭水化物を食べ大量インスリンを出すことによって栄養素を筋肉に送り込むようにします。

それ以外に時間帯では体脂肪を増やしたくない人は、吸収の遅い玄米やオートミール。とにかく体を大きくしたい人は白米やうどんなどの吸収の早い炭水化物を摂取するようにしてください

ダイエットにもなぜ炭水化物は必要なのか

炭水化物の重要性を知っているか?

炭水化物によって分泌されるインスリンは筋肉の合成だけでなく、脂肪の合成もしてしまいます。

しかし、ダイエット中だからといって炭水化物を完全に抜いてしまうのは得策ではありません。

それは、炭水化物は運動のエネルギーになるため、炭水化物を全くとらないとエネルギー不足から運動の量、質ともに低下し、それに伴い消費カロリーも低下してしまうからです。

運動の量と質が落ちるということは、バルクアップの際につけていた筋肉がどんどん落ちることも意味します。ですので消費カロリー、筋肉ともに落としたくない人は、運動の質が低下する(トレーニングで扱える重量が極端に落ちる、常に倦怠感を感じる)ほど炭水化物の量を落とさないほうが良いです。

ダイエット中は一日に摂取する炭水化物の配分をトレーニング前とトレーニング後になるべく多くするようにします。トレーニング前に摂取した炭水化物はトレーニングのエネルギーとなり、トレーニング後に摂取された炭水化物は筋肉を回復させるために筋肉へ送り込まれやすくなります。

それ以外の食事では炭水化物は少なめにし、種類も吸収の遅い玄米やオートミールを摂取しインスリンが大量に分泌されないようにします。仕事が終わった後にトレーニングをし、そのあとに夕飯を食べるという場合でも炭水化物を多めに摂取するようにします。

まとめ

炭水化物の重要性を知っているか?

さて今まで紹介した炭水化物の働きと摂取方法についてまとめます。

  • 炭水化物とは糖分であり体のエネルギー源
  • 炭水化物の中でも果糖(果糖ブドウ糖液糖、砂糖)は体脂肪として蓄積されやすい
  • 炭水化物を摂取することによって分泌されるインスリンの働きによって体内の栄養素を体に取り込める
  • トレーニング中~トレーニング後3時間は栄養素が筋肉に送り込まれやすい状態になっているので大量に炭水化物をとっても脂肪として蓄積されずらい
  • 吸収が早い炭水化物はトレーニング後やバルクアップをしたいときに摂るようにする
  • 吸収が遅い炭水化物はダイエット中など脂肪を増やしたくないときに摂取する
  • ダイエット中でも筋肉、消費カロリーを維持するために炭水化物はとったほうが良い

炭水化物はダイエット時にもバルクアップ時にも必要なエネルギー源です。完全に摂らないようにするのではなく上手に付き合っていきましょう。

カテゴリ:知識

取材・この記事を書いた人

投稿者・寄稿者
大原 優一 (Yuichi Ohara)

通称パクチー大原。フリーのパーソナルトレーナーとして活動中。TwitterやYOUTUBEで「『こうすればもっと早く筋肉をつけられるのに‼️ダイエットができるのに‼️』という過去の自分に教えたい筋トレ&ダイエット情報」を発信している。2023年の東京ボディビル選手権で優勝します。


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