レモンクラシック参戦の記録(2019/8/12開催)
今回は8月12日(月)に広島市パルコ前アリスガーデン広場で開催されました「レモンクラシック」についてのレポートです。
このレモンクラシックに参戦もしましたので、参加者として、そして観戦者として、どのような大会だったかを詳しくお伝えしていきたいと思います。
目次
レモンクラシックとは?
「レモンクラシック」は広島市にあるジム「レモンジム」が主催したボディビル&フィジークのコンテストなのですが、今までにないような形で開かれたコンテストでした。
レモンジムオーナー原田さん
レモンクラシックの今までにない特徴
1.屋外で開催 誰でも見れる!
通常、ボディビルやフィジークのコンテストは、屋内で観戦チケットを買うことで見ることができます。
しかし、今回のレモンクラシックは広島の中心地、アリスガーデンの屋外特設ステージで開催し、誰でも見られるようにすることで、筋肉に元々興味のなかったような通りすがりの人の目にも触れるような形のコンテストとなりました。
2.誰でも出られる!
現在、国内の各団体はどこかの団体で大会に出ると他の団体の大会に出れないということが発生しやすい状態です。
しかし、今回のレモンクラシックは主催者の尽力で誰が出ても大丈夫なようになっています。さらに出場費も無料です。
3.優勝賞金
ボディビル部門の優勝者には30万円、フィジーク部門の優勝者には5万円の賞金が渡されます。
現在、国内で行われているボディビル・フィジークの大会で賞金が出る大会は、私の知る限り他にサマースタイルアワードのプロ部門があるくらいです。
(現在色々な団体が乱立しているところなので、他にもあるかもしれませんが…)
今回は主催者のレモンジム・オーナーの原田さんが自費で賞金を用意してくれました。
4.クラウドファンディングで資金調達
前述のように、今回、大会開催に当たっては出場費も観戦費も無料です。そこで、優勝賞金以外の資金はすべてクラウドファンディングで集められました。
このクラウドファンディングで集めた資金から、IFBB PRO竹本直人さんとポパイ関根さんの二人をゲストポーザーとして招致しています。
左:竹本直人 IFBBPRO|右:ポパイ関根
結果的に原田さんの、
「屋外で行うことによって筋肉業界に縁のない人でも誰でも見れて、面倒な手続き一切なく、誰でも参加できるボディビル大会を開催して、ボディビルという競技の楽しさを伝えたい」
という思いに答える形で、140万4千円の資金が集まりました。これは当初設定していた目標額、65万円の倍以上の額になっています。
5.協賛品
クラウドファンディングで資金調達した他に、個人レベルで様々な協賛が得られています。サプリメントやフロスバンドなど、約40万円分の協賛品が集まりました。
その他、詳しくは原田さんのtwitterとクラウドファンディングのページをご覧ください。
・クラウドファンディングページ
https://camp-fire.jp/projects/view/173954
・協賛品紹介
協賛商品を再度写真付きで紹介していきます。
— ハラダマン (@haradaman123) August 11, 2019
二頭さん@gws581 からご協賛頂いた粉飴12個。
各部門1〜6位の選手がゲットできる商品です。 pic.twitter.com/s1vKxkwCLL
レモンクラシックへの参戦
さて、私も、Twitterで原田さんに誘われるかたちで、このレモンクラシックに参戦して参りました。
この大会がどのようなものであったか、参加者として、また観戦者としての記録をここに書いていきたいと思います。
今年、私の減量は全く順調に進んでいませんでした。
しかし、7月末にレモンクラシックへ参戦することを決めてから、ようやく減量に本腰で望めるようになってきていました。
8/10 大会の二日前
私の体重はようやく81キロを切るところまで来ていました。しかしながら、例年の私のコンテスト直前体重は74から77キロの範囲。
ボディビルにおいて体重は数字でしかないとは言われますが、参考になる指標であることは否定できません。鏡を見てもまだまだ全然ステージに立てるレベルにはありませんでした。
それでも、せっかくの大会なので楽しもうと、翌日は水抜とカーボアップを行うことに決めました。
8/11 大会前日
起床時の体重は80.4キロ。
鳥むね肉100グラム、さつまいも200グラム、水200mlを1日の間に10回摂取します。前日までは意識しなくても6リットル以上の水分を摂取していたため、これで水が抜けてくれるはずです。
また、筋肉に張りを持たせるために多目の炭水化物を摂取します。いわゆるカーボアップです。カーボアップではさつまいもを食べることにしています。
さつまいもはGI値が低いため筋肉が張りづらく、繊維質が多いため腹が張りやすい、とも言われますが、私はあまり気にしていません。アルミホイルで包んでいれば容器が不要なこと、冷めても美味しいこと、カリウムの多いことなどもあり、さつまいもを食べるようにしています。
体脂肪が乗っている状態での水抜・カーボアップはあまり意味がないとは言われますが、少しでもよくなる可能性があるなら私は行いますし、こういった直前の準備もコンテストを楽しむためのひとつの方法だと思っています。
さて、この日の夜、原田さんがTwitterで大会のスケジュールについて発表しました。
予選と決勝があることを私はこのとき初めて把握し、絞りきれていない私は大いに不安を感じながら床に付くこととなりました。
▼タイムスケジュール
明日のタイムスケジュールです! pic.twitter.com/DXEYh3oz9G
— ハラダマン (@haradaman123) August 11, 2019
8/11 大会当日
起床時の体重は79.4キロ。水抜で1キロほど落ちました。
私は東京に住んでいるので、広島まで移動しなければなりません。当日朝の新幹線で広島に向かいました。
当日は、あまり水分を摂りすぎないように、スイカを用意して喉が乾いたらスイカを食べるようにしました。
10時過ぎに広島に着き、まだ集合時間まで時間があったので広島市内のサウナで風呂に入ってから会場に向かいました。
既に会場では設営が進んでおり、参加する選手たちも集まってきています。
選手へ大会の説明
11:30になり、原田さんから当日の進行について説明がありました。ここで初めて決勝進出者が6名になることを知ります。
15人中6名が決勝進出。その15人の中には、直近1ヶ月で他の大会で上位に入った人間以前に大きな大会で上位に入っている選手が多数いましたので、自分の決勝進出はかなり難しそうであることは予想されました。
しかし可能性はゼロではありません。スイカを食べて喉を潤し、パンプアップを行います。
開会
12時になりました。会場のアリスガーデンには、炎天下にも関わらず100名以上のお客さんがこのイベントを見に集まっていました。
レモンジムスタッフの伊藤さんがMCとなり、イベントが開始します。
原田氏が自らフィジークとボディビル、ボディビルの規定ポーズについて説明したり、ゲストのIFBB PRO竹本さん、筋肉エンターテイナーポパイ関根さんの紹介などで会場は徐々に盛り上がっていきます。竹本さん・関根さんは、審査員長の原田さんとともに審査員も務めます。
(左上)フィジークの競技説明でモデルをする原田さん、(右上)IFBB PRO 竹本直人さん、(左下)ポパイ関根さん、(右下)MC伊藤さんと審査員席
競技開始!私の結果は・・・?
いよいよ競技開始です。
ボディビルの予選はフロントダブルバイセプス、サイドチェスト、バックダブルバイセプス、アブドミナルアンドサイの4ポーズで行われました。
ラインナップで4ポーズを取り、予選通過の6位圏内ぎりぎりの選手で争うピックアップ審査で私の番号も呼ばれました。
全身全霊でポーズを取り、後は結果を待つだけ。
結果は予選落ちでした。やはり、仕上がる以前の体で勝負できるようなレベルの大会ではなかったようです。
(ボディビル予選ピックアップ)向かって右端が私。 左から2番目の土肥選手が決勝に進出しました。
レモンクラシック観戦の記録
自分の予選のあとは、フィジーク・ボディビルの観戦です。
(フィジークもかなりレベルが高く、かなり仕上がっていないと決勝進出は難しそうです)
ボディビル決勝
フィジークの予選が終わり、ボディビルの決勝に入ります。
決勝では、予選で行った4ポーズに加え、フロントラットスプレッド、バックラットスプレッド、サイドトライセプスの3ポーズが加わり、合計7ポーズで争います。
決勝に残ったのは
福原選手
黒川選手
松岡選手
東選手
土肥選手
榎本選手
の6人でした。
1番の福原選手と3番の黒川選手、8番の榎本選手が目立ちます。
- 福原選手
- 主にフィジークの大会で活躍してきた選手。
- 黒川選手
- 岡山大学出身で岡山選手権優勝、全日本学生2位、全日本ジュニア2位などの戦績を有する実力者。
- 榎本選手
- 東京クラス別を制した直後の参戦。全身のバルクは別格。
- 土肥選手
- 前日の広島選手権で5位。仕上がり、特に脚の仕上がりが抜群。
- 松岡選手
- 前日の広島選手権で4位。彼も仕上がりがよく、土肥選手よりもバランスがよい。
- 東選手
- 前日に日本クラシック選手権で4位。プロポーションのよさが目立つ。
上位が選ばれるファーストコールは福原選手・黒川選手・榎本選手・土肥選手。
セカンドコールは黒川選手・土肥選手・東選手・榎本選手。
最後に松岡選手と土肥選手の1対1の比較が行われました。
(決勝ファーストコール)向かって左から 榎本選手、土肥選手、黒川選手、福原選手
(決勝セカンドコール)向かって左から 榎本選手 松岡選手 東選手 土肥選手
松岡VS土肥
フィジーク決勝
ボディビルの決勝の後はフィジークの決勝です。
フィジークの決勝に進んだのは
東選手
神垣選手
松田選手
岡部選手
古田選手
上村選手
でした。
松田選手と岡部選手が特に目立ちます。
ファーストコールは
神垣選手・松田選手・岡部選手
セカンドコールは
東選手・古田選手・上村選手
でした。
(決勝進出した6人)向かって左から 東選手 神垣選手 松田選手 岡部選手 古田選手 上村選手
(決勝ファーストコール)向かって左から 神垣選手 松田選手 岡部選手
(決勝セカンドコール)向かって左から 東選手 古田選手 上村選手
フリーポーズ
比較審査の後はボディビルのフリーポーズです。
黒川選手は音源にミスがあったようで、スマホをマイクに当てて演じていましたが、音量不足も岡山大学の応援団の大歓声で全く問題にしていませんでした。
黒川選手のフリーポーズ
ゲストポーズ
皆が思い思いのフリーポーズを演じたのち、竹本・関根によるゲストポーズが行われました。
国内最大級のバルクを有する二人に会場は大興奮。ステージから降りてきて会場を練り歩くパフォーマンスのあとは短いMCも行い、会場は大盛り上がりでした。
ゲストポーズ
ゲストMC
結果発表
その後、結果発表に入ります。
フィジークは松田選手が優勝、以下2位岡部選手、3位神垣選手、4位上村選手、5位古田選手、6位東選手となりました。
優勝し、賞金5万円を手にする松田選手
ボディビルは音響トラブルのあった黒川選手が優勝!賞金30万円を手にしました。
以下2位福原選手、3位榎本選手、4位位土肥選手、5位松岡選手、6位東選手となりました。
その他、ベストポーザーは東選手、マッスルビースト賞(モストマスキュラー賞)は榎本選手、ブレイド賞(もっとも絞れていた選手)は土肥選手に送られました。
優勝賞金30万円を獲得した黒川選手
左からベストポーザー東選手、ブレイド賞土肥選手、マッスルビースト賞榎本選手
大会終了後
大会終了後、クラウドファンディングのリターンで竹本・関根とのチェキ、二人のトレーニング見学を選択していた方々は、レモンジムに場所を移してチェキの撮影、見学に入ったようです。
私も、原田さんのご厚意でチェキの撮影までは見させていただけました。
関根さん・竹本さんとチェキを撮られていたクラウドファンディング購入者の方
▼公開トレーニングの様子(原田氏のtwitterより)
ゲストのお二人にはスーパーハードなスケジュールをこなしていただいて、公開トレーニングもかなり盛り上がりました! pic.twitter.com/iDMWwzxbiY
— ハラダマン (@haradaman123) August 12, 2019
雑感
今回、炎天下にも関わらず100人を優に越える数の観客がこのレモンクラシックの観戦に訪れていました。
実は、このレモンクラシックには、地元広島のテレビ局の取材も入っていました。数日前に告知もかねたテレビ出演があり、それで大会を知った方も多かったと思います。
▼大会前のテレビ出演の様子(原田さんのtwitterより引用)
取材1つ終わりました😆 pic.twitter.com/0peEG2HxHC
— ハラダマン (@haradaman123) August 8, 2019
取材2つ目の写真🎥 pic.twitter.com/nGVRrlLDpd
— ハラダマン (@haradaman123) August 9, 2019
地元テレビ局の取材の様子
初めて観た人にも興味を持ってもらえた大会
ただ、テレビで知った方も含めて、ボディビルやフィジークという競技に今まで触れてこなかったお客さんが本当にたくさんいたように感じました。
広場で何か催し物をしているみたいだ、見てみよう!
↓
面白い!すごい!
↓
(イベント終了後)すいません、写真をお願いします!
こういった感じの方が多かったと思います。
写真をお願いされるのは竹本・関根両氏だけでなく、優勝できなかった選手も含めて多くの選手が写真をお願いされていました。
ボディビルはパンツ一丁になって筋肉をアピールする競技であり、フィジークもパンツの丈が長いだけで筋肉をアピールする競技であることに変わりはありません。
言葉だけで見ると、「なんか変」と感じられてしまうことも多いものです。
しかし、そういった先入観を越えて、生でちゃんとしたレベルの競技者を見たときには、元々興味のなかった人たちにも「凄さ」を感じてもらい、何かを訴えかけることのできる、そういった競技であるということを今回改めて感じました。
レモンクラシックのまとめ
また、炎天下の開催であったため、ステージ上、足元は熱くなってしまいやすかったのですが水を撒いて冷やしたり、熱中症対策として経口補水液OS-1を120本用意したりなど、選手や観客のことを本当に考えている運営をされていたとも感じました。
日本の競技団体はJBBF、NPCJ、SSA、BBJ、NICA、NABAAなど、乱立し、団体間での関係性も決してよいとは言えないと思います。
また、旧態依然とした大会運営など、様々な課題が露見してきている時期だと思います。
そんな中で、誰でも出れる、誰でも見れる形、選手にも観客にも配慮した形で運営され、ボディビルやフィジークをよく知らない人たちにも競技のよさを伝えるということに成功した、今回のレモンクラシックは、これからの日本のボディビル・フィジーク競技の大会運営を考えるなかで非常に参考になるものになったのではないかと思います。
これは原田さんをはじめとしたレモンジムの皆さんの志と、それに応えたゲストの竹本さん・関根さんや個人協賛をされた皆様、クラウドファウンディングに応じた皆さん、そしてちゃんとしたレベルの大会になるようにしっかり調整された選手の皆さん、すべての努力の結実した結果であると考えます。
第二回レモンクラシックが開催されるかはわかりませんが、今後とも原田さんとレモンジムの皆さんには尖った企画を期待したいところです。
そして、そんな大会に調整途上の状態で出場してまった私はこれからしっかり絞って、9月15日の東日本選手権に備えたいと思います。
最後になりますが、原田さん伊藤さんはじめとしたレモンジム関係者の皆様、ゲストポーザーのお二人、出場選手、観客の皆様、暑いなか本当にお疲れさまでした!
以上、HAYAOより、レモンクラシック参戦の記録でした。
左から、ゲストのポパイ関根さん、MCを務めた伊藤さん、主催の原田さん、ゲストの竹本直人IFBBPRO
8月12日に広島市で初めて行われた、ボディビルとフィジークのコンテスト「レモンクラシック」についてお伝えしたいと思います。