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姿勢の悪さはトレーニングに影響する

姿勢の悪さはトレーニングに影響する


ライター

正しいトレーニングを行うためには正しい姿勢がとても大切です。姿勢が悪いとトレーニングにどう影響するのか。今回は姿勢とトレーニングの関係をについて説明します。

普段の自分の姿勢で気になっていることがある方もいると思います。代表的な例で言うと、猫背や反り腰や左右の肩の高さの違いなど。

このような姿勢の悪さはなぜ起こるのか、トレーニングを行う際にどのように影響するのか、今回はこの姿勢のトレーニングへの影響について書いていきます。

姿勢が悪くなる原因

根本の原因は、日常生活の何気ないクセや動き方の習慣です。以下のような普段の行動が大きく関係しています。

  • パソコンで仕事する際の姿勢で背中が丸くなる
  • カバンを片側にかける
  • スマホを操作する際、頭だけ前に出た姿勢になる
  • 車を長時間運転するときに背中が丸まった状態になる
  • 座ったときに脚を組む
  • 料理をする際に、片側に体重を乗せて立った姿勢で行う

日常何気なく行っているこれら動作ですが、左右どちらか重心が偏る背中が丸くなるなどの姿勢は必要以上に片側に負担をかけることに繋がります

そもそも、なぜ人がこういった姿勢をとってしまうかということですが、”飢えなどを防ぐためになるべく労力を使わないようにするため”とされています。しかし、一見楽に感じるこういった動作は、脱力した状態になり姿勢が悪くなっていきます。

日常の動作から起きる姿勢の変化

動作が原因で既にこのような状態になっていませんか?

  • 首が前に出た状態《フォワードヘッド》
  • 肩の内巻き《肩甲骨外転、上腕骨内旋》
  • 背中の丸まり、腰反り《胸椎後湾増大、腰椎前弯増大》
  • 太ももの内巻き《股関節内旋》

このような状態は問題がでやすく、悪い姿勢に繋がりやすいので正常な状態に整えることが重要です。

姿勢が悪いとどういった影響を及ぼすのか

姿勢が悪いままの状態になると、筋肉が働きづらくなり、それを補う為に働く必要のない筋肉を使わなければいけない状況になります。そして、この状態になると以下のような影響を及ぼします。

腹圧コントロールができない

腰が反った状態の姿勢では腹圧を高めることができず、常に腰に負担がかかった状態になります。

この場合では、上半身と下半身を繋ぐ役割の体幹をうまく使うことができなくなり、正常に身体を動かすことが難しくなります。その結果、必要以上に腰を使うことになり、体幹部が安定できず効率よく力を発揮できないといった影響がでてきます。

効率よく力が発揮できない

頭が通常の位置より前に出た状態になるため重力が首から肩にかけてかかります。その結果、

  • 筋肉が張りが生じやすい
  • 胸椎の柔軟性が出にくい
  • 肩の安定性が失われる
  • 動きに制限が入りやすくなる

といった障害が発生します。

膝への過度な負担

立った姿勢時、膝が伸ばし切れていない方が凄く多いです。

膝がしっかりと伸びていれば膝にロックがかかり、骨の力で立つことができます。しかし、膝が曲がっている状態のままだと骨ではなく太ももの前の筋肉とふくらはぎの筋肉を使って立つ必要があるのです。

この状態でスクワットなどを行うと膝が優先的に動くような動作になり、膝に必要以上に負担がかかってしまいます。また、膝が優先的に動くことで股関節の動きがうまくできず、効率よく動くことができません。

姿勢を治す方法

  • 肋骨を締めて腹圧を入れる
  • 骨の位置を正常な状態に戻す

肋骨を締めて腹圧を正しい状態に戻す

まず姿勢を治すのに重要なのは、お腹にしっかりと力が入る状態にすることです。

姿勢が悪い(反る・丸くなる)と肋骨が開いた状態になり、正しい姿勢で立つことはできません。この状態を戻していくためには、以下の方法が望ましいと言えます。

呼吸の正常化

息をしっかりと吐ける状態を作ることで肋骨が動くようになり、肋骨が締まる位置まで動くようになります

横隔膜と骨盤底筋群の活性化

仰向けで寝た状態で両膝を立て、両手を頭上に伸ばします。

両手を振り下ろす動作を行うことで、肋骨が締まりやすい状態を作ることができます。また、横隔膜の動きの活性化にもなります。

同じ姿勢で、膝の間にボールを挟み、股関節から足全体でボールをつぶす動作を行うことで内転筋に刺激が入ります。

その際に骨盤底筋群にも刺激が入り、骨盤底筋群の動きを活性化することができます。

この横隔膜と骨盤底筋群を働かせることで、体幹部の上からと下から圧をしっかりと入れることができ、姿勢を治していくことができます。

骨の位置を正常な状態に戻す

姿勢が崩れると、骨の位置が捻じれ正常な位置からずれてしまいます。この原因としては筋肉のアンバランスが考えられます。

骨の位置を正常な状態に戻す為には、この筋肉のアンバランスを修正していくことが重要です。

硬くなっている筋肉はストレッチなどで緩め、伸びすぎてしまっている筋肉は鍛え、筋肉を正しい長さに整えていくことで改善に繋がります。

まとめ

今回は姿勢とトレーニングについて書きましたが、姿勢によってトレーニングの効果は大きく変わってきます。また、姿勢を正常な状態で行うことで、より効果的に効率よくトレーニングしていくことができます。

姿勢が崩れた状態でのトレーニングは極端に負担が増大するので整えた状態に改善してからトレーニングしていくことが重要です。是非参考にしていただければと思います。

カテゴリ:知識
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取材・この記事を書いた人

投稿者・寄稿者
御厨 広志 (mikuriya)

某スポーツクラブのチーフトレーナーを経てジュニア、プロアスリートへの指導業務にも従事。科学的根拠に基づいた指導と機能的で動ける身体作り・痛みを出さない身体作りを得意とするパーソナルトレーナー。


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